鰹節の種類と呼び方1 荒節と枯れ節

鰹節には、荒節(あらぶし)と枯れ節(かれぶし)があります。
鰹節の種類と呼び方1荒節と枯れ節
(左:荒節  右:枯れ節)

生のカツオが鰹節になるまでには、

生切り=解体、切り分け

煮熟(しゃじゅく)=煮る

焙乾(ばいかん)=いぶす

修繕・整形

日乾(にっかん)=天日干し
カビ付け

などいくつもの工程を経て作られますが
(上記以外にも細かな作業工程がたくさんあります)

燻す工程までのものを「荒節」

その後カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」

更に天日干し、カビ付けを3~4回以上繰り返したものを「本枯れ節」と呼びます。

本枯れ節になるまでにはなんと約6ヶ月くらいかかり、
更に1年、2年と寝かせ、熟成させていきます。
一口に鰹節といっても荒節と本枯れ節ではこれだけの工程の違い、
かかる手間と時間の違いがあるのです。

もちろん荒節が仕上がるまでにも何度も燻すなどかなりの手間がかかっています。

外見での違いは

鰹節の種類と呼び方1荒節と枯れ節

荒節

表面は黒くゴツゴツしていて加工用として主に削り節やだしパックなどの原料になります。

このような形で目にすることはありませんが、量販店などで売っているほとんどの削り節は
この荒節の周囲を削り取った節(裸節と呼ばれる)などを原料としています。

鰹節の種類と呼び方1荒節と枯れ節

本枯れ節

表面は茶色く滑らか。主に高級料亭や日本蕎麦店で使用されます。
家庭で削る時はこれを選びます。
本節は枯れが進むほど乾燥し固くなるので、削りが難しく感じる場合があります。
初心者向けに、お店によっては枯れの若い(あまり枯れていない)ものや
なまり節に近いもの(水分が多く柔らかいもの)をすすめるところもあるようです。

皆さんが、ふと思い浮かべる鰹節ってこちらではないでしょうか?
でも、このような高級な本節が一般の量販店などで
削り節の形で売られていることはまずなく、
専門店や、こだわりの品を置く百貨店などでしか入手が困難なものです。

ところで・・・これだけ手間ひまをかけて作られる本枯れ節(本節)。
カビ付けの作用にはどんな事があるでしょう?

1 水分が吸収され乾燥し、長期間保存がきくようになる。
2 脂肪分が分解され、すっきりした清澄なだしになる。
3 うまみ成分が増し、まろやかで深みのある味になる。

このことからも、だしをとった時にも日持ち期間に違いが出ます。

鰹節は、高価なものとして古くから贈り物などに重宝されていましたが、
なるほど、美しく仕上げられた本節の姿からは職人の丹精込めた仕事ぶりが伺えます。

「かつおパック98円!」などとチラシ広告が打たれると
ずいぶん安売りされちゃってるな~・・とちょっと悲しくなりますが、
この98円の鰹節とは別物。

是非一度、本物の本枯れ節(本節)を手にし、違いを味わってみてはいかがでしょう?