乾しいたけの豆知識

★乾しいたけの戻し方

乾しいたけ

軽く洗って、かぶるくらいの水に浸し、冷水でじっくり戻してください。
冷蔵庫に入れて一晩・・というのが一番わかりやすく簡単ですが、しいたけの厚さによって戻し時間が異なりますので、肉厚のもので約8時間、薄いもので約4時間が目安です。
“早く戻したい時は、ぬるま湯を使用する”とよく聞きますが、これはしいたけのうまみが十分に出ませんのであまりおすすめしません。
乾しいたけは、酵素が働くことでうまみが増したり、減ったりします。
酵素を上手に働かせるために、最初は低温で(5度くらい)戻し、完全にしいたけが戻ったら一気に加熱(60~70度くらい)するとよいと言われています。

乾しいたけはうまみとともに、その独特な香りも特長ですが、
この香りが苦手だという子供(大人も・・)が多いようです。
そこで、しいたけが苦手でも食べられる面白い戻し方があります。

★目からウロコ!乾しいたけのトマトジュース戻し

クックパッド:
乾しいたけの戻し方(トマトジュースで)https://cookpad.com/recipe/2191104

乾しいたけ

トマトと椎茸のうまみの相乗効果でお互いが甘くまろやかになり、しいたけ独特の香りが和らぎますので、しいたけの苦手な方はぜひお試し下さい。

★どんこ(冬)とこうしん(香信)


椎茸の種類は大きくわけてどんこ(冬)とこうしん(香信)があります。

乾しいたけ

写真左は、どんこの中でも最高級と言われる傘が割れた花どんこと呼ばれるもので
大変高価なものです。(池田屋のギフトで実際に使われているものです)
どんこは寒い時期ゆっくりと生育し、傘が開ききる前(6部開き位)に収穫したもの。
厚肉丸形でしっかりした歯ごたえが特徴です。

香信は、どんこから傘が少し開き7部~全開になったもので、厚肉、中肉、丸形、変形と色々な形があります。

用 途


歯ごたえのある方が好きならどんこ、煮物、吸い物、鍋物、中華料理などに向いています。
香信は、どんこより薄いので短時間で戻ります。
炒め物、ちらし寿司などにスライスして使ったり、ふだん使いに適しています。
どんこ、こうしんどちらでも、和洋中どんな料理にでも合いのでお好みでお使いください。
また、種類、見栄えを気にしない料理やだしには、変形や欠け、
割れの部分を集めたものを使用するのも賢い方法です。

★げんぼく(原木)ときんしょう(菌床)


原木栽培は、枯れた木(クヌギやナラの原木)に、しいたけ菌を植え付けて育てる昔ながらの自然に近い栽培方法です。原木の調達から収穫までは1~3年かかります。
手間をかけた国産原木栽培は、希少で高価なものになるのは必然です。生産者の高齢化により、将来原木栽培は減少の一途となる可能性があります。

菌床栽培は、おがくずに養分(フスマ、米ぬかなど)と添加剤(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど) 加えた培地(菌床培地)に菌を埋め込み、暗室にて栽培するものです。大量生産ができ、収穫まで100~200日で完成します。中国では、ほとんどがこの方法で栽培しています。

味の違い

安心・安全に加え、原木の方が、うまみ、香り、歯ざわりが違います。


★日本産と中国産


日本産の乾しいたけのほとんどが原木栽培ですが、
中国産の乾しいたけのほとんどが菌床栽培です。

味の違いは上記にも記したように、うまみ、香り、歯ざわりです。
戻り方にも違いがあり、日本産はもとの重さの7~8倍になり、中国産は5倍前後です。
現在、日本国内で流通する乾しいたけの60%以上が輸入物で、
特に中国産が多く出回っています。

中国産は、国産乾しいたけの3分の1~4分の1の価格で販売され、
国産品はこれに押されているのが現状です。

栽培環境、過程など、安心・安全の問題も気になるところです。